2011年1月12日水曜日

H.264

Google Chrom が H.264 のサポートを打ち切る。これはオープンフォーマットを推進するというよりも、自社フォーマットの WebM を促進するための強攻策であると同時に、Chrome が市場に影響力を与えるだけのシェアを持ち始めた事に対する Google の自信の表れだろう。

実際問題として現時点で H.264 をサポートしているのは Chrome と Safari。そして存在しない IE9 だけだ。つまりブラウザシェアを考えると H.264 をサポートしてないブラウザの方が圧倒的に多い事になる。

もちろん広く使用されている H.264 を採用するほうが、作り手側はすべて H.264 で統一できるし、高性能なエンコーダーもあるので、メリットが大きいのだが、その反面後発のフォーマットである WebM への足かせになっている。仮に似た様なスペックでどちらでも使えるのであれば宗教的な事情が無い限り、枯れたフォーマットを使い続けるのは当然の流れだろう。結局の所 WebM はいくらロイヤリティーフリーとはいえ代替の存在でしか無いのだ。

しかし Chrome が H.264 を切れば状況は逆転する。これは MS と Apple の喉元にデファクトスタンダードという刃を突き付けるに等しい。