2010年4月23日金曜日

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 特別版

テレビ用の短縮版ですね。話としてはマルレで常任指揮者として奮闘する千秋の物語。

まあドラマファン向けの映画で、単体作品のストーリーとして何を描きたいのかがよく分からなくて。もちろんそれは映画が前後編という形をとっているせいもあるのだけど、やっぱ原作をなぞっているだけに見えるんだよね。で内容的にも先行して作られたアニメ版に比べるとドラマ版と同じでギャグの部分が過剰というか、マンガやアニメなら許されるギャグを実写でやられるのは、やっぱ辛い。

あと途中で外人が日本語話す事に関する注釈がでるんだけど、あれいる?シュトレーゼマンを竹中直人がやっている時点でそこはクリアされているだろって気もしたり、粗を探したくなる映画ではある。

ただアニメ版と違って音楽パートは良くて。マルレで始めて指揮をしたときに、オケがボロボロの描写があるのだけど、アニメだとただボレロを流すだけだったのが、実写版ではちゃんと演奏されていてヘタさ具合が出ていたり、映像と音楽を組み合わせているのでそこはいい。というか、この話って千秋が成長する話というより、音楽が人を成長させる物語なんだろうな。実際音楽が流れていないシーンの登場人物たちは操者のいない人形のようなんだけど、音楽が流れ出した途端に活き活きと動き出すんだよね。終盤で千秋が指揮をしながらピアノを演奏するシーンがあってコレは後編への伏線というかストーリーの推進力になっていくのだけど、このシーンでの躍動感は素晴らしい。ただ竹中直人に意味を説明させたら駄目だよな。

そういった意味でいえば、のだめの実写化という点では成功している映画で、マルレオケの楽団員の子どもを預かる件は音楽が主人公を成長させた様子を描いていて良いね。

まあ原作を始めドラマやアニメを見てなくても成立するのか?というと難しいというか無理なので単体の作品としては難有りなんだけど、だからといって否定はできない映画ですね。