2010年4月2日金曜日

ソラノヲト

このアニメは簡単にいうと、永遠のモラトリアムを享受している主人公達が、否応無く戦争に巻き込まれていく話で、実際休戦下の砦が舞台にも関わらず、明確な敵の存在が皆無なんだよね。これってパトレイバーでの特車二課の描かれ方に似ていて、あれに出てくる主人公達も普段は東京湾の埋立地という社会から隔離された環境で、のんべんだらりと生活していくのだけど、一度事件が起きると社会と関わりを持たざるを得なくなる。パトレイバーの場合はそこでキャラクター達のギャップが引き起こすドタバタが面白いわけだど。基本的にソラノヲトも最初の10話は終わらない夏休みであって、ラスト2話で強制的に外部に関わる事を強制される(戦争に巻き込まれる)という話。

ただこの話何点か問題があって、一番問題なのは戦争描写の部分で、11話で好戦的な軍人が出てくるのだけど、この軍人の動機付けが「戦争が技術を進歩させる」的な物で、それって軍人の動機じゃなくて、マッドサイエンティストの発想だし、この軍人はさんざん冷酷キャラの位置付け描かれているのに、民間人に銃を向けないんだよね。だからただの口だけ番長になってしまっていて、ここが弱いせいで戦争と言う行為が頭のおかしな人達がやる物だよね的な酷く矮小化されてしまっているんだよね。

もう1つの問題はリオの描き方で、リオは10話で砦から離れるのだけど、最終話のラストで砦戻ってきちゃうんだよね。まあこれは続編作りたいからとか色々な思惑を汲み取れなくも無いのだけど、それをやるのであればやっぱり、リオを主人公にすえるか、暗喩で終わらせないとダメなんじゃ無いかと思う。